小部経典

3:ウダーナ

1.6. マハーカッサパの経(6)

 このように、わたしは聞きました。或る時のことです。世尊は、ラージャガハ(王舎城)に住しておられます。ヴェール林のカランダカ・ニヴァーパ(竹林精舎)において。さて、まさに、その時、尊者マハーカッサパは、ピッパリ窟に住しておられます。激しい病に苦しむ病苦の者として。そこで、まさに、尊者マハーカッサパは、他時にあって、その病苦から出起しました(やがて病から回復した)。そこで、まさに、尊者マハーカッサパは、その病苦から出起したとき、こう思いました。「それなら、さあ、わたしは、ラージャガハに〔行乞の〕食のために入ろうか(ラージャガハを托鉢しよう)」と。

 さて、まさに、その時、五百ばかりの天神たちが、〔法ならざる余計な〕思い入れを起こしたのです。尊者マハーカッサパが、〔行乞の〕施食を得ることに。そこで、まさに、尊者マハーカッサパは、それらの五百ばかりの天神たち〔の法ならざる施し〕を拒絶して、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、ラージャガハに〔行乞の〕食のために入りました。貧民のいる路地や困窮者のいる路地や機織職人のいる路地をとおって。まさに、世尊は、尊者マハーカッサパが、貧民のいる路地や困窮者のいる路地や機織職人のいる路地をとおって、〔行乞の〕食のためにラージャガハを歩んでいるのを見ました。

 そこで、まさに、世尊は、この義(道理)を知って、その時に、この感興〔の言葉〕を唱えました。

 「他者からの扶養なき者、〔一切を〕了知した者、〔自己を〕調御した者、〔法の〕真髄において〔自己を〕確立した者、煩悩が滅尽した者、〔心の〕汚点(怒りや憎しみなどの悪意)を吐き捨てた者――わたしは、彼を『婆羅門』と説く」と。

 〔以上が〕第六〔の経〕となる。