小部経典

3:ウダーナ

5.8. 僧団の分裂の経(48)

 このように、わたしは聞きました。或る時のことです。世尊は、ラージャガハに住しておられます。ヴェール林のカランダカ・ニヴァーパにおいて。さて、まさに、その時、尊者アーナンダは、斎戒のその日、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、ラージャガハに〔行乞の〕食のために入りました。

 まさに、デーヴァダッタは、尊者アーナンダが、〔行乞の〕食のためにラージャガハを歩んでいるのを見ました。見て、尊者アーナンダのいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、尊者アーナンダに、こう言いました。「友よ、アーナンダよ、今日以後、今やもう、わたしは、まさしく、世尊とは別個に、比丘の僧団とは別個に、斎戒を為すつもりだ。さらには、諸々の僧団の行為(行事・作法)を〔為すつもりだ〕」と。

 そこで、まさに、尊者アーナンダは、ラージャガハを〔行乞の〕食のために歩んで、食事のあと、〔行乞の〕施食から戻り、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、世尊を敬拝して、一方に坐りました。一方に坐った、まさに、尊者アーナンダは、世尊に、こう言いました。

 「尊き方よ、ここに、わたしは、早刻時に、着衣して鉢と衣料を取って、ラージャガハに〔行乞の〕食のために入りました。尊き方よ、まさに、デーヴァダッタは、わたしが、〔行乞の〕食のためにラージャガハを歩んでいるのを見ました。見て、わたしのいるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、わたしに、こう言いました。『友よ、アーナンダよ、今日以後、今やもう、わたしは、まさしく、世尊とは別個に、比丘の僧団とは別個に、斎戒を為すつもりだ。さらには、諸々の僧団の行為を〔為すつもりだ〕』と。尊き方よ、今日、デーヴァダッタは、僧団を分裂するつもりです。なおかつ、斎戒を為すつもりです。さらには、諸々の僧団の行為を〔為すつもりです〕」と。

 そこで、まさに、世尊は、この義(道理)を知って、その時に、この感興〔の言葉〕を唱えました。

 「善き者に、善きことは、為し易い。悪しき者に、善きことは、為し難い。悪しき者に、悪しきことは、為し易い。聖者たちに、悪しきことは、為し難い」と。

 〔以上が〕第八〔の経〕となる。